あるきっかけで、浦島太郎について調べることになった。
調べてみるとなかなか奥が深い事が分かったので、何回かに分けて、調べた事を書いてみることにする。
【日本書紀の中の「浦嶋」】
浦島太郎に関連した説話として最古の文献として確認できるのは、千年以上も昔、「日本書紀」である。
まさに、「むかしむかしあるところに」という感じである。
ところが、「日本書紀」の中では、「むかしむかし」でも「あるところに」でもなく
いつ、どこでがはっきりと書かれてある。
原文は短い漢文なので、頑張って訳してみる。
(翻訳サイトなどを駆使してみたので、世の中の解説書とは異なっているかもしれない)
雄略天皇が即位して22年目の秋7月(五世紀後半ごろ)、
丹波国餘社郡筒川の人である、瑞江浦嶋子(みずのえのうらしまのこ、またはみずのえのうらのしまこ)が、
舟で釣りをしたところ、大きな亀を得ました。
すると、女性に変身しました。
それで浦嶋は心を打たれ、妻にしました。
二人は海に行き、蓬莱山にたどりつき、
多くの仙人達を観てまわりました。
この話は別巻に書いています。
まず、「日本書紀」に浦嶋の話が載っている事も驚きだが、
亀が変身する女性を妻にするという展開にも驚きである。
また、「日本書紀」には蓬莱山に行った浦嶋夫婦のその後については、書かれていない。
更に、歴史物語であるので実在の人物のように描かれていることも特徴である。
ちなみに、丹波国餘社郡筒川の場所と考えられている、現在の京都府与謝郡伊根町には、
天長2年(西暦825年)より、浦嶋子を筒川大明神として祀る「浦嶋神社」がある。
次回からは、「浦嶋」がどのように「浦島太郎」となって、私たちに記憶されていったのか
年代順に調査してみたい。
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